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平成23年度報告

NPO・NGOの民間団体とメディアとの連携支援事業

民間団体とメディアとの連携を応援!

平成23年度採択案件

高校生と作るエコ・レシピプロジェクト ~保温調理と道産品でキッチンECO~

民間団体は、高校生らを対象に、余熱を利用した保温調理の実習と道産食材に関する講座を開催。さらに高校生自身がフードマイレージの視点での地産地消、省エネになるエコレシピを考えて発信することで、家庭・地域のエネルギー削減を促進しました。
メディアは、民間団体による保温調理の実演講習と、道産食材に関する講座の模様を取材し、特別番組として全道に放送することで、家庭におけるCO2削減の意識向上を図りました。

高校生と作るエコ・レシピプロジェクト

NPO・NGO等民間団体による今回の申請に係る活動について(実績)

活動の目的(背景、動機)

えべつ地球温暖化対策地域協議会では、地球温暖化防止のための情報提供者として、毎年、「知って得するうちエコ講座」を行い、保温調理や節電・省エネの普及に努めている。
保温調理は、余熱を使って調理をすることで、エネルギーの節約になるだけでなく、食材を活かしながら、さらに時間を有効に活用できる環境にやさしい優れた調理法である。しかし、講習会を通して、「保温調理の認知度は高まってきたが、実際に取り組んでいる人はまだまだ少ない」ということがわかってきた。
キッチンは食材、エネルギー、水、ゴミなど様々な環境問題に係わっている場所といえる。ひとつひとつが小さな事でも、毎日、ほとんどの人が係わる場所であるため、その節電、CO2削減効果は大きなものになる。
また、高校生との連携は、高校生自身の学びとなるだけでなく、高校生への発信効果、さらに、市民への波及効果や、市民からのフィードバックが、高校生の自信につながるなど、非常に効果的だと考え、実施を計画した。
今回、メディアとの連携支援事業により、メディアの力を借りることで、より多くの人に発信することができ、保温調理に取り組む人を増やし、家庭からの電力やガスの削減、CO2削減を広く進めることができた。

活動の内容

江別市内の高校生を対象に保温調理と道産食材、地産地消に関してのキッチンECO講習会を実施。江別市経済部農業振興課担当者による江別市の産品について講義や、地域の消費者グループに指導を受け、保温調理について学んだ。その際、電気やガスの使用量についても計測。比較対象となるよう、通常の調理法も実施し、電気やガスの使用量を計測した。
少ないエネルギーでいかに効率よく調理をするかなど、講習を通して学んだこと、考えたことを高校生同士で考える機会を持った。実習後は、高校生の視点で、地元の食材で保温調理するエコレシピを考えてもらい、講習会での実践を通して見つけたキッチンエコや豆知識、エコレシピをまとめ、小冊子として配布、公開した。

  • お鍋でお湯を沸かしてから、「鍋帽子」を被せる。
    お鍋でお湯を沸かしてから、「鍋帽子」を被せる。
  • さぁ、実習開始!保温効果を調べる生徒たち。
    さぁ、実習開始!保温効果を調べる生徒たち。
  • 北海道のソウルフード「スープカレー」の出来上がり!保温調理で作ったので簡単、環境にも優しく、そして美味しい!
    北海道のソウルフード「スープカレー」の出来上がり!保温調理で作ったので簡単、環境にも優しく、そして美味しい!
  • 保温調理だと通常より10~15%くらいガスの使用量が少なくて済むことが分かった。
    保温調理だと通常より10~15%くらいガスの使用量が少なくて済むことが分かった。
活動の実施方法(実施場所、実施体制、スケジュール等)

実施体制 江別市、えべつ地球温暖化対策地域協議会、江別高等学校、HBCと連携し展開。

10/11(火)
江別高等学校で地産地消に関する授業を実施。江別市経済部農業振興課の担当者2名による江別の特産品、地産地消についての講義。高等学校生活デザイン科の1,2年生約80人参加。

11/5(土)
江別高等学校で生徒16人とNPO、および地域女性団体による保温調理実験と、江別産小麦、卵などを使ったケーキ作りを実施。保温調理エコクッキングの導入パートとして、NPO、女性団体との顔合わせも兼ねて実施。

11/19(土)
江別高等学校生徒14人とNPO、地域女性団体による保温調理実習。北海道のソウルフードでもあるスープカレーを保温調理、カレー、およびごはんを通常調理と保温調理で作り、それぞれのガス使用量について計測。生徒らに削減効果、感想などを発表。
また、スープカレー用の材料として、江別産の米、たまご、牛乳、道産品のじゃがいも、カボチャ、ピーマンなど用意し、地産地消という部分についても感想を述べてもらう。

11/27(日)
江別市内でNPO、地域女性団体による保温調理によるお節料理を調理。年末特別番組用に実施。

12/10(土)
エコクッキングに参加した生徒らが自宅で保温調理を実践。メディアによる取材。

12/24(土)
江別市野幌公民館で今回の事業についての報告会実施、レシピ集配布。

2/8(水)
江別市役所および各公民館で、レシピ集配布開始。

2/15(水)
えべつ地球温暖化対策地域協議会ホームページで、ダウンロード用レシピ集公開。

活動による効果とその具体的かつ定量的な評価

通常の調理方法と、保温調理によるCO2排出量をそれぞれ実習により数値化。
その差異からCO2削減量を算出する。参加した高校生らに、今後の日常生活での取り込みの可能性などについてアンケートを行い、アンケート結果から、年間での実践期待値を算出する。

高校生による保温調理実習によるCO2削減量(グループ平均値)
スープカレー・ごはん 通常調理の場合のガス使用量 113.3L ⇒ CO2排出量 0.267kg
同 保温調理の場合のガス使用量 88.3L ⇒ CO2排出量 0.208kg
※旭川ガスCO2排出係数 2.36kg/m3

⇒保温調理による1回あたりのCO2削減量 0.059kg
⇒保温調理1回によるCO2削減量0.059kg×参加人数16人×年最低1回の保温調理=0.944kg/年間

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メディアによる支援または広報について(実績)

支援又は広報の方法(実施媒体、実施体制、スケジュール等)

10/11(火)
江別高等学校で江別市担当者による地産地消に関する授業の模様を特別番組用にカメラ取材。

11/5(土)
江別高等学校で生徒とNPO、および地域女性団体による保温調理実験、地元素材を使ったケーキ作りの様子などを特別番組用にカメラ取材。

11/19(土)
江別高等学校での保温調理エコクッキング取材。スープカレーとごはんを保温調理、通常調理それぞれのガス使用量を計測。生徒らの取組みの様子を取材。

11/27(日)
江別市内でNPO、女性団体による保温調理によるお節料理の調理の様子を、年末の特番組内トピックとして取材。

12/10(土)
エコクッキングに参加した生徒が自宅で保温調理を実践する様子など取材。

12/12(月)
特別番組WEBサイトアップ。NPO、江別高等学校、江別市、環境省サイトにリンク。

12/23(金)~28(水)
特別番組宣伝告知テレビスポットCM放送。

ワイド番組内で放送告知
12/23(金)10:25~11:52 「金曜ブランチ」内で番組放送告知。
12/23(金)14:55~16:45 「グッチーの今日ドキッ!」内で番組放送告知。
12/28(水)10:50~11:20に特別番組放送。

情報発信の対象

道内の高校生を対象

情報発信の対象に対して、どれだけ新たな行動を喚起したかという効果の評価

(評価方法)
通常の調理方法と、保温調理によるCO2排出量をそれぞれ実習により数値化。
その差異からCO2削減量を算出する。参加した高校生らに、今後の日常生活での取り込みの可能性などについてアンケートを行い、アンケート結果から、年間での実践期待値を算出する。

(評価結果)
高校生による保温調理実習によるCO2削減量
⇒保温調理1回によるCO2削減量0.059kg×参加人数16人×年最低1回の保温調理=0.944kg/年間

テレビ放送によるCO2削減量
特別番組視聴率 世帯平均3.5%(同時間占拠率15.2%)
期待値として、特別番組を見た視聴者が最低年1回の保温調理にチャレンジするという想定に基づき、
保温調理1回あたりのCO2削減量0.059kg×北海道267万世帯×番組視聴率3.5%
=道内CO2削減量5トン513kg /年間

本支援事業を実施することで見込まれるCO2 排出削減量

(算定式)
(通常の料理方法でのCO2排出量)-(保温調理でのCO2排出量数値)×参加人数×実践期待値
=CO2削減量/年間

その数値を連携事業による係数として、テレビ放送により、視聴世帯数から効果を算定する。
実習によるCO2削減量×北海道世帯数×テレビ視聴率=道内CO2排出削減量/年間

(算定結果)
テレビ放送によるCO2削減量
期待値として、特別番組を見た視聴者が最低年1回の保温調理にチャレンジするという想定に基づき、
保温調理1回あたりのCO2削減量0.059kg×北海道267万世帯×番組視聴率3.5%
=道内CO2削減量5トン513kg/年間

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連携事業実施における評価と課題

メディアの立場から見た評価と課題
今回の連携事業に対する評価と課題
今回の連携事業のメディアの支援、広報活動に関して工夫した点はどのようなことか。
保温調理については、概念としては知っている人も多いかと思うが、実践している人は少ないと思い、テレビを通して保温調理の利点についてわかりやすく伝わるよう努めた。また、女子高校生が挑戦する保温調理実習という形で、特に同世代の若い人に親しんで貰えるよう、いわゆる堅苦しい「環境番組」にならならいようにタイトル、番組構成含めて演出を工夫した。
保温調理の効果などのナレーション説明をできるだけ避け、生徒たちの目線と、素直な感想、言葉で視聴者に伝わるよう努めた。また、学校の授業としての保温調理実習ではなく、生徒たちが家庭でも実践する様子も、学校、生徒たちの協力で取材することができ、番組エンディングでそのシーンを使用することにより、より親しみやすい演出ができた。
メディアとNPO、NGO 等民間団体が連携し、活動することによって、メディアにとってはどのような成果や効果が得られたと考えるか。また、課題や問題点としてどのようなことがあげられるか。
【成果、効果】
民間団体が日頃から学校、江別市と深く連携、協力している実績があり、テレビ取材、番組制作に関しても関係団体ともスムーズに作業できた。
地方局として、これまでもいろいろな形で環境問題に取り組んでいるが、民間団体と連携することにより、単なる取材としての番組ではなく、ともにイベント、番組を作り上げることによって、彼らの持つコネクションや考え方、ノウハウを共有する良い機会となった。
また、マスメディアとNPO団体のミニコミ的な手法が連携することにより、視聴者に対しても温かみのある放送を届けることができると思う。

【課題・問題点】
放送局として、こうした環境番組を自社制作番組の柱の一つとして継続して放送していきたい。
しかし、課題としては、制作予算確保の問題が大きい部分がある。番組スポンサーを探して番組の提供セールスも必要だが、昨今の景況悪化によりスポンサーの広告効果、効率要求も厳しく、こうした環境番組制作の予算確保が難しいのが実情である。環境省として、今回のようなNPO・NGOとの連携支援事業の仕組みを、是非、継続、また拡充を検討していただきたい。

今回の連携事業をふりかえって、メディアは連携したNPO、NGO 等民間団体をどう評価するか。連携してよかった点、課題・改善点としてどのようなことがあげられるか。
【評価、課題・問題点】
保温調理=主婦という目線ではなく、高校生という若い世代に保温調理の実践、環境問題について考えてもらおうという取組みは高く評価できる。番組制作にあたっても、多感な女子高校生たちが、一生懸命に保温調理に取り組む姿が、視聴者、また同世代の興味を引くこととなった。昨今ではテレビ取材に対し、学校側が難色を示すことも多い中、学校側から全面的に信頼を得ている団体と連携することにより、取材の幅、深みも広がった。
今後の活動に対する期待、抱負
今回の連携事業について、今後どのように展開していくか。
放送局単体での環境番組、キャンペーンなどは、視聴者に対して、一方的な発信内容に陥りがちなことも多く、堅苦しい番組となる可能性も否めない。今回のような連携イベントは、環境問題に取り組む最前線の方々と共同で番組作りができるので、メディアとしても大いに刺激となった。保温調理については、今後も自社制作番組などでも取り上げていくこともあると思うので、今後も民間団体との連携を続けていきたい。
今回の事業の成果や課題を踏まえ、これから活動を行うNPO、NGO 等民間団体及びメディアが参考にできる点や助言としてどのようなことがあげられるか。
【NPO・NGO等民間団体に対して】
メディアと連携することにより、イベントや番組などの当該事業が、団体として、活動の中の1つの活動目標となり、組織としての纏まりが強まる。
また、広い範囲に団体の活動をアピールできるので、メディアとの連携事業とは別の形で、自治体や一般企業などとの新たな連携のきっかけや、活動の支援対象となる可能性が出てくる。
いわゆるミニコミ的活動は、実はメディアが苦手とするところでもあるので、メディアに対して積極的に活動内容など情報発信するのも良いと思う。

【メディアに対して】
放送局の場合、環境番組については、自社取材の中で積み重なったものをまとめて番組化することが多いと思うが、まず「民間団体と連携して放送展開を考える」というスキームは、放送局の視野を広げる良い機会となる。放送局の目線とは違った角度から環境問題に対する取組みの仕方も見つかるのではないかと思う。
NPO、NGO 等民間団体の立場から見た評価と課題
今回の連携事業に対する評価と課題
今回の連携事業のNPO、NGO 等民間団体の本体活動に関して、工夫した点はどのようなことか。
もともと実施を予定していた事業であり、内容・進め方の変更・工夫は、特になかった。しかし、一緒に事業を実施する高校には、テレビ放映に対する不安が強かったため、計画にあたっては、打ち合わせを丁寧に行い、不安材料をなくすように努めた。また、メディアとも、連絡や打ち合わせを丁寧に行い、スムーズに進行するように努めた。
メディアとNPO、NGO 等民間団体が連携し、活動することによって、NPO、NGO等民間団体にとってはどのような成果や効果が得られたと考えるか。また、課題や問題点としてどのようなことがあげられるか。
【成果、効果】
当団体だけでは届けられない、多くの方たちに、温暖化防止の取組みをわかりやすく届けることができたことが、大きな成果である。番組制作の一端を共有することで、インタビューの方法・ポイント、事業報告の際のメリハリの付け方、編集方法などを学ぶことができた。これらは、メディアとNPO・NGO等民間団体が連携し、活動することによって得られる効果だと考える。

【課題・問題点】
当団体は、予算規模も小さく、メディアとの連携事業に関する打ち合わせ等については、支出が難しく、交通費その他個人の負担増となった点が課題。団体全体としての効果は大きくても、時間的・費用的な負担が大きい場合、小さな団体には、事業に参加することは難しいのではないか。少額でも、NPO・NGO等民間団体にも資金面での支援が同時にあると、より効果的ではないかと考える。
今回の連携事業をふりかえって、NPO、NGO 等民間団体は連携したメディアをどう評価するか。連携してよかった点、課題・改善点としてどのようなことがあげられるか。
【評価、課題・問題点】
  1. メディアの方たちとの連携によって、当団体だけでは届けられない、多くの方たちに、温暖化防止の取組みをわかりやすく届けることができた。
  2. 番組制作の一端を共有することで、インタビューの方法・ポイント、事業報告の際のメリハリの付け方、編集方法などを学ぶことができた。
  3. 番組を見た方から、高校に多くの感想が寄せられ、先生・高校生にとって、今後の取組みに対する励ましとなった。
  4. メディアの方は、当団体の意思を尊重して、丁寧な対応をしてくださり、ありがたかった。
今後の活動に対する期待、抱負
今回の連携事業について、今後どのように展開していくか。
連携事業で取り組んだ「高校生と地域の団体との協働で取り組む温暖化防止」については、昨年から実施しており、2年目の事業。2012年度も取り組んで行く予定である。江別でとれるお米と小麦に焦点を絞り、地域の特性を、皆で学び、江別らしい、皆が楽しく取り組める温暖化防止活動を進めていきたいと考えている。
今回の事業の成果や課題を踏まえ、これから活動を行うNPO、NGO 等民間団体及びメディアが参考にできる点や助言としてどのようなことがあげられるか。
【NPO・NGO等民間団体に対して】
今回の事業は、高校生が、地域の人から学ぶ機会を作り、その中で、学んだことをまとめ、発信するというものだった。温暖化防止は、皆が取り組んで行かなくてはならないことだが、そのためには、いろいろな人が発信者になっていくことが大切だと思う。その仕掛けを工夫するのは、とても楽しいもので、特に、若い人たちとの活動は、みんなが元気になれるのでおすすめである。

【メディアに対して】
地域で地道に活動している団体の取組みを、メディアの本業を活かして上手に発信することは、温暖化防止の取組みを推進するだけでなく、丁寧にコミュニケーションをとることによって、その団体の成長支援にもつながる。

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