一般社団法人日本建設業連合会(日建連)は、主に総合建設業者が加入し、140社5団体(2015年3月現在)で構成されている業界団体です。建設産業の課題を解決するため、交通・物流機能や都市機能の強化するための「経済基盤の強化」、自然災害に備えるための「安心・安全の確保」、持続可能な社会をつくるための「環境への対応」などのテーマを中心に、建設業界全体で取り組むさまざまな事業を展開しています。

日建連の環境活動の中でも、地球温暖化対策は「環境委員会 温暖化対策部会」を設置し、力を入れて取り組んでいます。「日建連の会員は、ビジネスにおいては競合関係にありますが、環境対応は競争ではなく会員各社が協同できる分野です。各社の環境担当者がそれぞれの環境に関するノウハウ・技術・手法を持ち寄り、部会で業界共通のルールや有効な対応策を検討・整備し、会員各社および業界全体にフィードバックしています。まさに、会員各社の知恵・技術を建設業界全体で『Fun to Share』しているんですよ」(環境委員会温暖化対策部会の日野隆部会長)
2013年発行の「建設業の環境自主行動計画 第5版」では、重点課題として「施工段階におけるCO2の排出抑制」「設計段階におけるCO2の排出抑制」が掲げられています。特に力を入れているのは、建設業界として「自分たちの努力で抑制できる」(日野部会長)施工時のCO2排出抑制です。「日建連では、まず指針を作り、目標を設定します。目標達成のために具体的な施策を講じ、業界全体で統一されたツール制作や研修を実施し、普及していく活動をしています」
施工段階のCO2排出量削減は、1990年比で2020年までに20%削減、2030年には25%削減が目標です。2013年度実績では18.3%削減と目標に近づいていますが、今後の達成のためには、さらなる施策が必要で、「日々の建設工事の中で、ちょっとした意識の向上で大きな効果が期待できる『省燃費運転』の普及に力を入れてきました。2013年に始まった『エコドライバープロジェクト』(Fun to Shareが推進する低炭素アクション)にも、賛同登録しています」(本田一幸環境部主事)

<省燃費運転の啓蒙のため、ポスター、ステッカー、マニュアル、DVDなどの統一ツールを配布しています>

施工現場で排出されるCO2のうち、多くを占めるのはバックホーなどの重機と、トラック・ダンプです。日建連では、重機とトラック・ダンプを対象に、座学と実習で省燃費運転研修を行い、ドライバーの意識向上を図っています。
重機の運転実習では、メーカーから指導員を招き、まず普段どおりの通常運転で土を運び、次に指導員のアドバイスに従い運転します。すると、同じ量の土を運ぶのに、平均約25%もの燃費改善が実現!また、トラック・ダンプは必要最低限のアイドリング、早めのシフトアップ、遅めのシフトダウン、経済速度での走行などのエコドライブで、年間1台あたり約10トンものCO2削減効果が出たこともあります。
「重機の省燃費運転は、アームやバケットの角度を適正にしたり、旋回角度が小さくなるようにトラック・ダンプを配置するなど、わかっていればすぐに実践できることが多くあります。日建連が団体として研修を通じて理解を促し、ドライバーが現場に戻って実践し、さらに周囲にも広めてもらえれば、大きなCO2削減が実現できます」(本田主事)

<施工現場のCO2排出比率。排出量の多いトラック・ダンプ、重機の省燃費運転研修を実施しています。>

<研修では、バックホーのアームやバゲットの角度、トラック・ダンプの配置など、
省燃費運転を具体的にレクチャー!>

近年は原油高が進み、燃費向上はコストダウンに直結するため、会員各社やドライバーの意識も高まってきたとのこと。「エコドライブを普及させるには、環境面だけでなく、自分たちのコストに跳ね返ると意識してもらうことが大切です。エコドライブでコスト削減したくても、やり方がわからない会員も多いので、そのノウハウを研修で伝授し、説明ツールを安価で提供しています。仕事で省燃費を実感すると、家での運転もエコドライブを心がけるようになったドライバーも多いんですよ」と温暖化対策部会の北川博一副部部会長。また、エコドライブは安全面の効果も大きく、交通事故減少にもつながっています。「まずは燃費面からエコドライブを意識し、それが結果的にCO2削減、さらに事故防止につながることを目指しています。交通事故の減少は、損害保険料の軽減にもつながりますから、さらなるコスト削減にもなります」(北川副部会長)

日建連の環境への取組は、一般向けにも展示会などでわかりやすく紹介しています。エコプロダクツ2014ではブースを出展し、オリジナルの模型やパネルなどを活用し、来場者に建設業の環境への取組や技術を紹介。「エコ探検クイズ」など子どもも楽しめるイベントも実施し、3日間で約7,500人もの来場がありました。
140社もの会員各社の知恵・技術が集結し、そこから「シェア」されている取組は、私たちの毎日の暮らしにも役立つヒントが多くあります。今後も、日建連が発信する情報に注目しましょう!

<大盛況のエコプロダクツ2014での日建連ブースは大盛況!
クイズや模型を使ってわかりやすく環境活動をPRしています。>


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