素材メーカーである東レは、CO2削減などの環境貢献につながる技術・製品を数多く産み出してきました。製品の"素材"であるために、東レの技術とはすぐにわからないものも多いのですが、私たちの暮らしには東レの環境技術がたくさん隠されています!

東レの様々な技術の中でも炭素繊維(カーボンファイバー)は、鉄に比べて重さは1/4、強度は10倍といわれる軽くて強い特性を活かし、様々な用途に用いられています。従来の鉄やアルミニウムの代わりに使うと、重量が軽くなることでエネルギー使用量の削減、CO2排出量の削減につながる素材なのです。
その軽さと強さが評価され、近年は航空機にも使われています。2011年から就航している「ボーイング787」は、炭素繊維を主翼や胴体などの主構造にも使った初の民間航空機で、炭素繊維強化プラスチックの構造重量は約50%を占めています。従来のアルミニウム主体の「ボーイング767」に比べて軽量化され、燃費性能が約20%も向上したことで、航空機の原材料から廃棄までライフサイクル全体を通したCO2 削減量は27,000トン(1機あたり・10年就航)と試算されています。
「炭素繊維を使うことで、燃費だけでなく、機内環境も良くなりました。炭素繊維はさびに強いので湿度を保つこともできます。機内は乾燥しているので、私は長時間のフライトでは喉が痛くなってしまうのですが、ボーイング787は痛くならないんですよ。燃費が良くなり、サービスも向上できる点が評価され、就航前にボーイング社は1,000機近くも受注したそうです」と、地球環境事業戦略推進室の畑慎一郎室長。「ボーイング社とは40年近いお付き合いの中で、最初は小さな箇所に採用してもらうことで実績を積み、信頼を得ることで主要な基礎構造にも採用してもらえたのです。炭素繊維に関わってきた人々の長年にわたる不屈の努力の結果です」
強くてしなやかな炭素繊維を使ったボーイング787は、主翼がカーブを描きながら飛んでいきます。世界第一号機を全日空が就航させてから、世界中の各航空会社で採用され就航中です。機体には大きく「787」と書かれているので、空港で見かけたら飛び立つ姿にぜひ注目を!

<炭素繊維を使うことで燃費が向上したボーイング787機(写真提供:ANA)>

機能性インナー「ヒートテック」も、東レの素材が使われています。東レの実験によると、薄手なのに暖かいヒートテックを着用すると、体感温度が上昇することが証明されており、その分暖房の設定温度を下げることでCO2削減につながります。また、夏もサラッと快適に過ごせると評判の「エアリズム」も、東レの素材です。
「ヒートテックもライトダウンもエアリズムも、毎年改良して機能が向上しています。5年前と今の機能性インナーを比べると、きっと違いにおどろかれると思いますよ」と畑室長。環境省が推進する「ウォームビズ」「クールビズ」を実践する際に、活躍しそうなインナーです。
また、水不足に悩む地域では海水の淡水化や下廃水の再利用にも取り組んでいます。従来は海水を淡水化する際には海水を蒸発させて塩分を取り除く「蒸発法」が主に用いられてきましたが、蒸発させるために大量のエネルギーが必要となります。しかし、東レが開発した高機能の"膜"に圧力をかけて海水を通す方法ならば、少ないエネルギーで海水を淡水化できるので、CO2排出量の削減にも貢献することができるのです。
「膜を通して汚水を濾過する仕組みを使って、災害対策用に小型造水機"トレスキュー"を開発しました。災害により水インフラが破壊され、飲料水の確保が難しくなった時、海、河川、湖沼、プール、井戸などのあらゆる水を浄水化することができます。最近では2013年のフィリピンの大型台風の時に寄贈して、大活躍したんですよ」(畑室長)

<水インフラが破壊された2013年フィリピン大型台風では、トレスキューが大活躍!>

その他にも、東レは多くの環境事業を手がけています。これらの環境への取組を取りまとめている「地球環境事業戦略推進室」は、「"環境戦略推進"だけではなく、あえて"事業"と名付けています」と畑室長。「地球環境戦略を環境保全のような守りの取組として捉えるだけではなく、ビジネスとして成立させることは、持続的に環境貢献するためには不可欠です。東レにとって、製品をお買いいただき、使っていただくお客様はもちろん、地球もステークホルダーの一つです。全てのステークホルダーに利益をもたらす環境事業に取り組んでいきたいと考えています」
素材メーカーである東レの技術は、私たちの生活を様々なシーンで支えています。ハッキリとわかる製品で私たちの目に触れることは少ないので、東レのプレスリリースやホームページをぜひチェックしてみてください。「こんなところにも東レ?」(http://www.toray.jp/toray/index.html)と驚くかもしれません!

<地球環境"事業"戦略推進室の畑慎一郎室長。東レにも、お客様にも、地球にも利益をもたらす環境事業に取り組んでいます>

 

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