2011年3月11日、東日本大震災により大きな被害を受けた岩手県。電気、ガス、ガソリンなどが不足する中で、避難所の明かりを灯し、救援用のクルマや重機を動かし、命をつなぐ燃料となったのが、岩手県で2004年から利用拡大に取り組んできたバイオディーゼル燃料(BDF)でした。BDFは、天ぷら油などの廃食用油から作られる燃料。燃焼によってCO2を排出しても、大気中のCO2総量が増えないカーボンニュートラルな燃料として注目を集めていましたが、震災時には、「自給自足できるエネルギー」として威力を発揮したのです。

 

岩手県がBDFの利用拡大に積極的に取り組み始めたのは2004年。知的障がい施設に廃食用油を購入・回収して精製するシステムを導入し事業化することで、雇用を産み出そうとしたのがキッカケでした。BDFは軽油より安価でクリーンなエネルギーとして話題を集め、2007年には「いわてバイオディーゼル燃料ネットワーク」が設立され、盛岡市を中心とする地域による廃油の回収活動も広がっていきます。

BDF利用拡大の取組を続ける中で、発生した東日本大震災。ガソリン・軽油が不足し、物流がマヒする中で、大活躍したのが自給自足のエネルギーであるBDFでした。BDFで発電機を回して電気を作り、重機を動かし、食料や水を内陸部から被害の大きい沿岸部へ。2006年からトラックにBDFを導入していた「いわて生活協同組合」も、沿岸部に支援物資を輸送し、炊き出しにも活用しました。震災直後の混乱を極める中で、BDFがまさに命をつないだのです。

被害を受けたBDFの廃食用油回収先もあり、BDF利用拡大の取組は大きな影響が出ましたが、震災から3年が経ち徐々に復興が進められると同時に、BDFの取組も復興しています。環境に優しいBDFは、廃食用油の回収から精製・利用まで、障がい者も高齢者も子どもも参加できる仕組み。改めてBDFの価値が見直された今、BDFにより地域のつながりを強め、「人の復興」につなげていこうとしています。


Fun to Share Message

「自給自足できるエネルギー・BDFが、復興の灯を灯し続けます」


<精製された廃食油はBDFに生まれ変わり、震災時にも大活躍しました。>


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