「低炭素社会」をつくるための様々な試みは日本各地で生まれ、街ぐるみの活動となって広がっています。
展示レポート第三弾は、「水」をテーマに、世界初の「世界農業遺産」に認定された新潟県佐渡市の取組と、「日本一の清流」を有する三重県大台町の取組をご紹介します。

 

1.朱鷺(トキ)と暮らす郷を見に行こう!日本初「世界農業遺産」に認定された街の暮らしとは?

新潟県西部に位置する佐渡島。東京23区の1.4倍ほどの大きさの島では、自然と人が共生しながら暮らすさまざまな取組が盛ん。低炭素社会作りの理想的なモデルとして、世界から注目されています。

佐渡市は、現在その天然種が絶滅してしまった貴重な鳥、トキの繁殖保護活動で有名。トキの自然回帰に欠かせない自然景観、生物多様性を維持するために、行政と米生産者が一体となり、減農薬・減化学肥料などの農法を街ぐるみで推進してきました。

また、すべての生き物が安心して棲める水田環境を作るために、田んぼにビオトープを隣接したり、田んぼと水路をつなぐ「魚道」を整備するなどの「生きものを育む農法」が評価され、日本初の「世界農業遺産」に認定されています。美しい棚田が広がる景色は、佐渡島が誇るべき日本の絶景です!

会場では、これらの取組紹介のほか、佐渡の清流に育まれたお米「朱鷺と暮らす郷」や、海水浴、温泉、街めぐりにグルメなど、たくさんのアクティビティを楽しめる佐渡の魅力がたっぷりと紹介されていました。この夏は、美しい自然と人々が共存する佐渡で、自然の恵みをたっぷり満喫するのも楽しそうですね!

 

2.いま話題の「カーボン・オフセット」って何?「日本一の清流」を守る街の環境保全アイデアに迫る!

三重県中南部に位置する大台町。街を東西に流れる「宮川」は国の一級河川水質調査で何度も「日本一」に輝き、春夏はキャンプや魚釣り、秋冬は紅葉や温泉など、一年を通して自然の恵みを満喫できる地域です。

しかし、この自然の森や河川を守るためには、人が適切な手入れをすることが必須。今、人の手が入らなくなった山は全国的に荒れ、災害の原因にもなっています。

そこで、大台町が注目したのが「カーボン・オフセット」という制度。排出している二酸化炭素などの温室効果ガスのうち、排出削減の努力ではどうしても減らせない分を、別の場所での削減・吸収活動への資金提供という形で埋め合わせする取組のことです。大台町では、街が所有する1,597haの森林のうち、間伐等の整備を行う必要がある人工林を「持続可能な森林管理プロジェクト」とし、カーボン・オフセットのクレジットを取得しました。

つまり、地域の一般消費者や企業は、どうしても排出してしまうCO2を「持続可能な森林管理プロジェクト」のクレジット購入という形で埋め合わせをし、大台町は、クレジットの販売収益を森や河川の環境整備保全や地域づくりなどに役立てる仕組みを整えたのです。

会場では、これらの取組について詳しく知ることができるほか、宮川の源流から湧き出る天然水の紹介も行いました。「カーボン・オフセット」を身近に感じることができる展示に注目が集まっていました。

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