6月1日に、東京ミッドタウン(東京都港区)にて「スーパークールビズ2015キックオフ・イベント COOLBIZ NEXT」が開催されました。今年で11年目を迎えたクールビズが新たなステージに進むことを表現する「COOLBIZ NEXT」のタイトルが設定されたキックオフ・イベントで、小池百合子「クールビズ・プロモーション協議会」名誉会長、ミズノ株式会社取締役の七條毅さん、ファッション・ジャーナリストの生駒芳子さんによるトークセッションが行われました。「NEXT」のポイントである「テクノロジー」「スポーツ」「地方創生~メイドインジャパン」の3つのキーワードについて、活発な意見交換が行われました!

司会:
今年の「NEXT」を表現する3つのキーワードについて、簡単にご説明させていただきます。まず「テクノロジー」です。日本のテクノロジーが生み出す素材の進化はめざましいものがあります。この素材の高機能化がクールビズの進化にもつながっています。2つ目は「スポーツ」。2020年に向けて、スポーツへの関心が高まっていますが、「テクノロジー」の先端はスポーツブランドが担っているとも言えますし、スポーツアイテムを取り入れたクールビズスタイルも広がっています。そして3つ目は「地方創生~メイドインジャパン」。地域の素材や日本製をプレイアップし、「地方創生」に貢献するクールビズスタイルを発信しようというものです。

この3つのテーマについてお話をうかがっていきます。まず七條さん、「テクノロジー」や「スポーツ」に関連して、機能素材の最先端を行くスポーツブランドのお立場で、新素材開発への取組について教えてください。

七條さん:
スポーツブランドは、アスリートやスポーツを楽しむ方のために、スポーツをする際のストレスを軽減することで、パフォーマンスを最大限に発揮してもらうことを目的として開発しています。最大のストレスは、やはり動くことで発する汗です。従来は、いかに速く水分を発散させるかという「吸水速乾性」を追及することが主流でしたが、現在はシャツの肌面の生地に突起をほどこして肌につかない工夫をしたり、さらに衣服の中の湿気をコントロールする新素材が出てきています。
また、屋外スポーツは紫外線や衣服内温度の上昇など直射日光によるストレスもありますが、これも糸を2層構造にして外から入ってくる日光の屈折率を変えるなどして、紫外線や温度上昇を抑えています。従来の「接触冷感」素材などと組み合わせて、日々進化を続けています。

<ミズノ株式会社取締役の七條毅さん。スポーツブランドの機能の進化について教えていただきました。>

司会:
そのような素材で作られたウェアであれば、快適に暑い夏も過ごせそうですね!小池名誉会長、いかがでしょうか?本日の衣装も素敵ですが…

小池名誉会長:
この衣装は、まさに「機能てんこもり」のお衣装です。本日の衣装の機能をまとめてきました。まずは「吸水速乾」、汗をかいても快適であること。「接触冷感」は読んで字のごとし、触ってひんやり感じる素材を使っているとのことですが、はっきり言って本日のお衣装、寒いくらいです(笑)。そして、白は透けやすいのですが「透け防止」の工夫もされていますし、「UVカット」機能も盛り込まれています。
日本は「糸」へんの国です。クールビズが良い刺激となり、もう一度このような機能性で繊維産業に打って出ることができるのではないでしょうか。

<衣装の機能性についてポイントをまとめて解説する小池百合子クールビズ・プロモーション協議会名誉会長。>

司会:
夏を快適に過ごせる機能性があり、さらにファッション性も高い衣装なんですね。では生駒さん、ファッションの専門家としての立場から、スポーツ分野で開発された素材やスポーツアイテムと、日常のファッションとの関わりについてはいかがでしょうか?

生駒さん:
ここ数年、毎シーズン「スポーツ」は重要な要素となっています。スポーツ素材を取り込むだけでなく、スポーツスタイルによってファッションが進化している状況です。世界的な有名デザイナーたちが、こぞってスポーツブランドとコラボレーションするようになりました。
クールビズで重要なのは、素材、色、形ですが、21世紀のファッションの大きな条件として、「快適性」が挙げられます。「エフォートレス」という言葉がキーワードとなり、身を締め付けないファッションが主流になってきています。おしゃれなスニーカー、パーカーなどが次々と登場し、おしゃれな人が楽しく着るようになり、すっかり定着しています。

<ファッション専門家の立場から、スポーツブランドによりファッションが進化していることを解説された生駒芳子さん。>

司会:
では小池名誉会長、3つ目のキーワード「メイドインジャパン~地方創生」についてはいかがでしょう?

小池名誉会長:
世界遺産が日本を活気づけています。その中のひとつである富岡製糸場は、日本の原点ではないでしょうか。地域がどのように発展してきたか、と考えると、繊維産業が担った役割は大きく、それぞれの地域の風土に合った繊維を作り出してきました。例えば、本日のブース展示にもある沖縄の「かりゆしウェア」はとてもカラフルで、スーツ姿の出張者が来ると目立つくらいに浸透しており、沖縄の伝統織であるミンサー織などは沖縄の風土に合った繊維なんですね。ですから、繊維産業がもう一度盛り上がることが、地方創生につながると考えています。
そこにファッション性をプラスし、クールビズという切り口で進めていくのが、地方創生のポイントだと確信しています。

司会:
ではここで、石破茂地方創生大臣より、メッセージをお預かりしていますので、代読させていただきます。

石破大臣メッセージ:
「COOLBIZ NEXT」のご開催に際し、心よりお祝い申し上げます。
小池百合子元環境大臣の発案により11年前に始まった「COOLBIZ」は、今やすっかり日常生活に定着しました。
昨今は地域の伝統素材や染物、織物など、地場産業を大いに活用した新しい形のファッションも生まれています。こうした地場産業と「COOLBIZ」が連携し、地方創生にもつながる大きな展開を、ご期待申し上げます(地方創生大臣 石破 茂)

司会:
最後に、新たなステージのクールビズに期待すること、メッセージをお願いします。

七條さん:
スポーツとクールビズが融合してできることとしては、ひとつは環境配慮技術の開発が挙げられます。例えば、非石油由来の素材開発や、水を使わない染色技術の開発です。もうひとつは、安全性です。年々激しくなる紫外線量や体温上昇に対し、アラートを出すなどの機能を付けた衣料が、クールビズと融合できれば将来が楽しみです。

生駒さん:
今日着ているのは、シルクとコットンの混合で、日本製のクールビズカーディガンです。日本には、テクノロジーから伝統工芸まで、宝の山がありますから、クールビズとクールジャパン、地方創生が融合して発信していければいいですね。また、制服や就職活動のウェアなど、生活のあらゆる部分にクールビズが発展していくことを期待しています。

小池名誉会長:
クールビズの原点は「クール」です。着て涼しく、見た目にも涼しく、そして着ている人がクール、つまりカッコイイ、ということ。そして、それが結果的に地球をクールにしていくことにつながります。これを、皆さま方によってさらに進化させていただければと思います。今回のブース展示「ミニネクタイ」もあるように、まだまだいろいろなバリエーションがあり、やるべきことは多くあります。ぜひこれからもよろしくお願いします。

<小池名誉会長の話にも登場したミニネクタイ。襟元に付けるピンタイプ。>

司会:
ありがとうございます。まだまだお話は尽きませんが、残念ながらお時間となってしまいました。新たな10年のスタートを切った「COOLBIZ NEXT」に、ますます期待したいと思います。

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