田舎暮らしの流行などで、薪ストーブが注目されています。薪ストーブは、燃料となる薪が、元々二酸化炭素を吸収して育ち、それが燃えて二酸化炭素を出しても、炭素量を増加させない「カーボンニュートラル」のものです。また、捨てられていた間伐材などを活用できるということもあって、自然に優しい暖房器具といわれています。しかも遠赤外線の輻射熱を利用するため、100〜150平方メートルを暖められます。

東近江市では、薪や炭に利用する広葉樹を中心とした「薪炭林」として里山が活用されてきました。近年、その里山が放置され、イノシシやシカが増えて田畑を荒らす獣害が深刻化し、年数を経たナラの木が大量に枯れるナラ枯れが進んでいました。そこで、里山から薪となる原木を切り出し、地域の人たちの力で、薪にして販売し、持続可能な流れを作るというプロジェクトが始まりました。

しかし当初は、単純に薪にするだけでは採算が合わず、補助金を使っても継続ができませんでした。そこで、ボランティアや福祉施設などの力を借りて、事業として成り立たせることになりました。プロジェクトには、自治会や林業者、専門家、福祉施設、ボランティアの方が参加しています。原木の伐採、運搬は、専門家である業者がチェンソーなどの機器を使って、集中的に実施し、薪割りや薪の結束、運搬などは障がい者が行っています。今では、年間100トンの薪を生産し、主に県内の薪ストーブ所有者に販売しています。東近江で進められている「薪」をキーにして地域がつながっていくプロジェクトです。

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